月と砂漠は霧の中・・
怪しく霧の立ち籠める木立のトンネル・・出口は光の靄に包まれて先も見えない。それでも何かに誘われる様に進んで行く・・
この道は伊豆大島は三原山の東側に広がる砂漠地帯へつながる山道だ・・今日はその『 裏砂漠 』に向かってぶらぶらしよう。
もうこの駐車場に到着する前から濃霧の中を進んで来ていたし分かっていたんだけど、梅雨時期は真っ白で何も見えない。
実は宿を出る前から窓外に見える山に霧がかかっていたでの分かっていた・・それでもここまでやってくるのが沼おじさん ww
伊豆大島に来るのは今回が初めてなので、せっかくだから『 霧の裏砂漠 』の景色も見てみたいと思ったワケだ・・・
一旦どんな場所にいるのか視点を変えてみよう・・ここは島の外周をぐるっと走る一周道路。島の南東にあたる海岸の景色だ。
島の東側はご覧の通り断崖絶壁と言った感じで海のそばまで高い山が迫っている。だから山の上の方に霧が溜まりやすい・・
梅雨時期はずっとこんな感じらしく、一周道路でさえ濃い霧が立ち込めている。そのため島の生活圏からは外れたエリアになる
反対側もずっと濃霧で覆われてるね・・真ん中にガードレールが見えるでしょ、あそこから出て来るまでずっと霧の中だった
さっきの駐車場は何処にあるのかと言えば・・あの霧が溜まっている山の中ってワケ・・それも一番霧が濃いエリアだ ww
で、ここが裏砂漠へ直接アプローチするための『 月と砂漠ライン駐車場 』だ・・10分も歩けば展望台がある様だけど・・・
この霧で何処まで行けるかなぁ・・一周道路から折れてこの駐車場に登って来る間に見る見る霧は濃くなっていった。
あくまで沼おじさんみたいに霧を楽しもうなんて柔軟な心がない場合は、一周道路がガスっている時点で上は真っ白って事だ。
駐車場の脇に裏砂漠へ向かう『 月と砂漠ライン入口 』がある。車止めのチェーンがかかっているけど歩行者は入ってもOK。
それでは霧の裏砂漠へ向かって進んで行こうか・・入口付近は緑が生い茂っているから、砂漠へ向かう道とは思えないね・・
霧で先がぼんやりする薄暗い茂みの中を進んでいった・・入って直ぐはこの薄暗い感じがワクワクしたなぁ、こういう道好き。
あ、そうそう・・いつかこの道を通る事があったら注意して見てほしいモノがあるんだよね・・それは足元なんだけど・・
この黒い地面にある虫が写ってるんだけど分かるかな、左上の小枝の辺りに交尾する二匹の『 ハンミョウ 』って虫がいるの。
ハンミョウは水辺とか山水が豊富なしっとりした山道なんかでよく見る虫だ。人が来ると少し先まで飛んで止まる・・
また近ずくと少し飛んで止まる・・そんな事を繰り返すで、まるで道案内してる様で『 道教え 』なんて呼ばれたりもする虫。
コイツは『 カワラハンミョウ 』と言うんだけど、ちょっと普通と違う。本当はもっと白い模様が羽の全体を覆っているハズ。
なんで黒いのか・・名前の『 カワラ 』は『 河原 』って事だよね、河原はもっと白っぽい石が多いけど、ここは黒い石しか無い
その黒い石はよく見れば噴火で出来た『 スコリア 』だ。こんな黒いスコリアだらけの場所で白い模様は目立ってしまうよね。
こちらは多分メス・・伊豆大島のカワラハンミョウは島の環境に合わせて独自の進化をしたようだ・・やっぱ島は面白いね ww
ハンミョウは色んなサイズがいるけど形はほぼ一緒・・コイツは中くらいのサイズだからそこそこ見つけやすいだろう。
これから向かう裏砂漠はこのスコリアが一面を覆う黒い砂漠だ・・特異な環境はさりげなく周囲にも影響を及ぼしているんだね
更に進んで行くと少し道が広くなってきた・・同時に頭上を覆っていた木々も少なくなって道が明るくなって来た気がする。
土壌に変化があるんだろうね、目に見えて植生にもスコリアの影響が出はじめたと言うワケだ・・・
水分豊富な霧が立ち込めているから、草木がツヤツヤと輝いて綺麗。この霧のおかげでカワラハンミョウも生息できるんだろう
霧はどんどん深くなるばかり・・でもコレはこれで最高にイカした景色だ。こういうのを見たくてわざわざ来たんだから・・
この霧の立ち籠める木立のトンネルの辺りは、ホント怪しげな雰囲気・・これが冒頭の木立のトンネルだ・・入ってみよう
トンネルの中は薄霧が漂いその先は白く光りに包まれている・・まるで不思議の国への入り口の様でテンション爆上げです ww
旅先で非日常へ連れて行ってくれる道に出会えたらラッキーだよね・・天候に左右されたり、季節限定ものならなおさら・・
さて、トンネルを抜けると脇道から木が消えて背の低い茂みだけになった・・視界が広くなると霧の濃さが増して見えるなぁ
10m先も見えない様な状態だ・・それでも天を遮るものは無いからそれなりに明るい。乳白のぼんやりした光の中を彷徨う・・
でもまた長くなってしまうので今回はこの辺で・・次回は霧の充満する裏砂漠をもう少し進んでみよう ww それでは〜