ナイアガラの別の顔
ナイアガラフォールズは『 カナダ滝 』の奥に佇むこの建物・・古い発電所の施設だと言う話は以前ちょっとしましたね。
この前は『 ナイアガラの遊び 』をやりましたが、今日は『 ナイアガラの発電 』をテーマに写真を見ていきたいと思います。
何せコレだけの水量を誇る雄大な『 ナイアガラ川 』ですから、コレが発電に利用されないワケありませんよね・・
もう既にこの写真に今日のお話に必要な材料が写ってるんですが、とりあえず川の右側にあるさっきの建物へ行きましょか。
正面にやって来た。コレは『 旧トロント発電所 』名前通りオンタリオ湖の対岸にあるトロントへ電力供給していた発電所。
1906年〜1974年まで稼働していた様だけど、現在は新たな発電施設でより大きな電力を賄える様になり使われなくなった。
パリ由来の『 ボザール 』とか言う建築様式の建物、イカすね・・全体的にはシンメトリーでシンプルな建築だけど・・
入り口の装飾とかよく見ると沢山のフルーツの彫刻が施されていたり、さりげなく端々にこだわりの見える建物だ。
1983年にカナダの国立史跡に指定されてた様だけど・・よく見るとソレほど綺麗に管理されているワケでもなさそうね www
どうせなら中を見学できるようにしてくれれば良いのにな・・こう言う古い産業遺構には凄く興味あるんだよね・・・
旧トロント発電所の少し上流にはこんな場所もあった・・フェンスで囲われて入れなかったけど溜池の様なものと小さな建物。
横にあった石碑に『 オンタリオ発電所のゲートハウス 』とあったから、また別の発電所へ送る水の取り入れ口みたいだ・・・
あっ・・ちょっと待てよ・・アレか?・・クルーズの時に見損ねた発電所施設があったと前にお話ししましたよね・・・
そのものの写真は撮れなっかたんだけど、クルーズの後にカナダ滝裏のトンネルに入った時にこんな歴史表があったの・・
下に『 The Ontario Power Generating Station 』って書いてあるね・・滝上のゲートハウスからここへ繋がっているワケだ。
この施設がそのまま残っていてクルーズの時に見れたハズだったんだけど・・滝に気を取られて全く気付きませんでした orz
でも似た様な別の施設はしっかり撮っていた・・深いナイアガラ渓谷対岸の岩壁に半分緑に埋もれた構造物があったのだ・・
対岸はアメリカのニューヨーク州だからそっちの施設だと思うけど・・下の方に明らかに排水口っぽいモノが見えるよね。
調べてみたらやっぱり『 Schoellkopf 発電所 』と言う発電施設跡だった・・コレはレインボーブリッジのすぐ左横にあった。
この遺構は第3a発電所の施設跡で1961年まで稼働していた様だが・・元はもっと横長で右の岩壁の方までプラントがあった。
昔の第1、第2施設があった頃は上のナイアガラ川から水路を引いて岩壁の上から滝の様に水を放出していた様子・・・
ソレを第3発電所に立て替えてから岩壁を今みたいに石で覆い、その水を岩壁の内側を通して下の排水口から出していたワケだ
ところが1956年に施設裏側の壁から水が溢れ出して第3bと3cのプラントを崩壊させてしまったんだって・・で、・・
現在も残っているこの第3aの施設だけで1961年まで減量運転していたと言う話だ・・パッと見でも無理くり感あるもんな。
まぁ、カナダ側だけではなく当然アメリカもナイアガラ川を水力発電に利用してるワケですね。では話をカナダに戻して・・
カナダ滝上流にあるこのコントロールダムの可動堰 ( せき ) もカナダ滝に流れる水量を減らし岩壁侵食を抑制するだけでなく
アメリカ滝の方へ水を逃す事でアメリカ側の安定した発電に役立っている・・これが無いとアメリカ滝が枯れてしまう事も・・
1950年にこの可動堰が出来る前、実際にアメリカ滝が枯れた事があったそうだ。でも結局2000年後には枯れるかもだって ww
さて、滝に流れる水量を減らすと言ってもソレは夜間の話・・観光客が来る昼間は迫力たっぷりな水量が確保されている。
ここで最後の発電所の話を・・今まで見てきた発電所はもう使われてないモンね、当然それに代わる新しい発電施設がある。
上記の旧オンタリオ発電所のゲートハウスみたいに、水を取り込む入り口がどこかにあるハズだよね・・
もうココに写ってるけど・・『 小さすぎて見えない! 』状態なので恒例の高解像度カメラの力で拡大してみよう ww
真ん中のシルバーの門がソレだ、奥にもう一個ある・・この二つの『 発電用取水水門 』が地下水路の入り口らしい・・
今まで見て来た古い発電所は割と近くで水を取り込んですぐに吐き出していたけど・・この施設の地下トンネルはとても長い
わかりやすく地図を見てみよう・・下の『 International Control Dom 』と書いてあるのが現在の位置です。そこから・・
青いラインをたどって約10km下流にある『 Sir Adam Beck No.2 Generating Station 』という所まで繋がっているのだ。
そこも行ってないのでまた歴史表で・・『 サー・アダムベック第2発電所 』はクィーンストンと言う街にある施設だ。
ナイアガラフォールズからナイアガラオンザレイクへ向かう中間くらいの場所だから、ツアーだったらココにも寄るかもね。
水力発電は『 高低差 』が要。古い発電所の高低差は50m 位・・もっとナイアガラ川を有効に使いたいと考えた電力会社は
10km先のアダムベック発電所まで地下トンネルを掘って高低差を100mまで伸ばし、より大きな電力を得られる様になった。
アメリカ側も同じ様な事をやっている様で、下の写真に薄っすらカナダの『 取水水門 』と同じ様な水門が二つ写っている・・
夕方、宿泊したマリオットホテルの窓からナイアガラ川と渓谷を一望・・遠くに見える可動堰が一部閉じている様に見える・・
水量調節の時間か・・でも夜間 滝に流れる水量が減る代わりに、そこの水力で造られた電気を使った嬉しい演出があった ww
虹色に染まるナイアガラの滝、結構遅くまで様々な色に変化しながらナイアガラの滝をライトアップしていて綺麗だった。
近くへ行って撮ろうかとも思ったんだけど、この日は早朝オタワからナイアガラフォールズまでの大移動があったしね・・
そのまま遊びまくって流石に疲れた、窓からイルミネーションを満喫してそのまま大人しくバタンキュ〜した沼おじさんでした
と、言うわけで『 ナイアガラと発電 』をテーマに見て来ましたが、色々踏まえて見ると同じ景色にも違った側面が隠れてるね
アレは何だったんだろう?・・コレは何だろう?・・と撮ったモノを調べていたらほとんど水力発電施設だったワケ www
ナイアガラフォールズは滝だけではなく水力発電所だらけの街でもあった・・と言うお話でした。それでは〜